2009年12月05日

O宅;シンプルな可変性の設計

bl091205.jpgO宅。内部がほぼ出来上がりました。
久しぶりに工事の経緯をつづろうと思いながら、毎日が矢のように過ぎてしまいました。
構造用合板あらわし仕上の従来の質感に、新しくつくる壁には、色をつけようかなど、いろいろと思案したものの、結局、施主が選んだのは以前と同じ「構造用合板あらわし」。見慣れない方は「工事中のようだ」と驚かれますが、7年経った壁はアメ色がかってなじみ、新しい壁もそうなるんだなあと感じさせられます。
ご夫婦とお子さん3人それぞれの独立した空間が確保できるよう、「寝室」として2部屋、「プレイルーム」として2部屋、と共有スペースとして「ワークルーム」「便所」「階段室」(既存のまま・家具追加)の5つの室空間を確保しました(模式図右)。お子さんのうち2人がまだ就学前なのでプレイルームは当面一体で使う計画(模式図中央3番)。3と4の室は扉とPS冷暖房で仕切られているので、開くことも閉じることもできます。(ピンクのところは共用空間)
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今後は成長と受験その他の状況も配慮して、4つの個人空間をローテーションする時期もあるとのお話でした(時期によっては主寝室もローテーションの対象になりうる、というご主人のお話には私も少々驚きました)。お勉強はワークルームの大きなデスクで一緒にできるようにもなっているので、臨機応変に使えそうです。
大掛かりな移動家具や可動間仕切などは用いずに、シンプルな可変空間が実現しました。施主が自ら時期をみながらローテーションするというのも実現の鍵でした(お子さんは"1年ごと"に2・3・4で交替、と豪語されていました)。

収納にもかなりこだわって設計したので、それについてはまたお話します。
posted by 山内彩子 at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月11日

O宅リフォーム着工

O宅のリフォームが着工しました。bl091109_1.jpg
大きくは、これまでバルコニーとして使用していた2階のくぼんだ部分を部屋にするというものです。バルコニーとはいえ、この部分はこうしたことを見越して、建築確認においても延べ面積に含んでいたため、面積の増減は発生しません。
L型の2階はこれで完全に長方形のプランとなります。

bl091109_2.jpg←外壁を撤去したところ(なかなかきれい!)
これまで外部だった部分を室内にするに際して、外壁やバルコニーの防水、軒天井を撤去する工事を行いました。外壁のガルバリウム板と割増して計画したスタイロフォーム(断熱材)を順番に撤去して、構造用合板が出てきました。軒天井もケイカル板を撤去しました。
何とも「新品のよう」というのは言いすぎですが、きれいな下地で、一同びっくり。釘の跡などはありますが構造用合板であるためかあまり目立ちません。
アルミサッシも平行移動して移設完了。ここまで順調です。

posted by 山内彩子 at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月31日

御影石敷きとGreen Device 2009

今週は、御影石の45センチ×90センチという大きめの板石敷きを「造園的に」敷くための現物を石屋さんに見に行ったり(実は家の近く)、Green Device 2009(パシフィコ横浜)でLED照明や太陽光、有機EL照明などの動向をお勉強してきたりと、設計スケール・思考スケールの大きく異なる素材に向かう1週間でした。
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御影石敷き(造園的に)は、住宅の庭にざっくりした通路を比較的コストを抑えてつくるのによいと思っています。6〜7センチの厚みのものを使います。よく建築の知人は「えっ?石敷き?贅沢な!」と言われますが、廉価なタイルでも基礎をつくる必要があるのでこちらの方が安いかもしれません。使い方・施工には一定の技術が必要ですが。ある程度の透水性も確保できるし、土に石が埋まっている感じで素朴な意匠が結構好きです。

bl091030_2.jpg対して、Green Device 2009では、まずロール状になったガラスにビックリ!(写真)。建築にも使える?と思ったらとんでもない(断言はできませんが)。基盤など全然異なるスケールがターゲットのようでした。どうもLED照明を極めようと思うと、これまでのように器具や配光に詳しくなるというよりは、電子回路の基礎知識をもって1個1個のLEDに電流が流れる考え方やそれらの集まりの制御方法があって次に建築化照明のようなハード、というステップでものを考えていくことになりそう、器具はその汎用例、というイメージでした。

LEDの「素材」意識が高まり、石敷きでとは大きく異なるも、いろいろと思考をめぐらせることができました。

・・・御影石平板については、「みどりデザインショップ」の
素材探しのアンテナ でも紹介しています。
posted by 山内彩子 at 11:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月24日

O宅のシンプルな「長期優良」性

「長期優良住宅を設計する建築士事務所」として当社はすまいづくりまちづくりセンター連合会にて登録をいただきました。講習なども受講しましたが、あらためて思うのは、7年前に竣工したO宅が、バリアフリーなどの基準を完全には満たしていないものの、主要な下記はクリアしていて、シックハウス法施行前であるにも関わらず、換気計画や、建材の☆☆☆☆とシックハウス対象外材料の利用、Low-E(エコガラス)ペアガラスで外断熱、様々なポイントをしっかり押えていて、かつPS輻射冷暖房を全館に採用し、そこにいてとても空気環境のやさしい家だなあ、と実感します。

●劣化対策:構造躯体の再利用性
●耐震性:建築基準法レベルの2倍程度の地震力で設計しています。
●維持管理:隠蔽部が少なく収納空間をPSとして、1階の床下も人が入れる、2階の床下はなし。清掃・点検がとても簡単です。
●可変性:長方形の建物で内部にほとんど構造壁がく、床を張ってから間仕切壁を立てる設計にしているため、間取りの変更がとてもしやすいものになっています。

現在、目標として、維持保全計画立案などを充実させて、住宅でも建て主の方と共にメンテナンス計画にも積極的に参加していこうと考えています。マンションでは長期修繕計画の立案業務などもやっているので、住宅にもそうした思想を入れていかねば、と強く思うところです。

今回は足場などを一部かけることも踏まえて、少し早いですが、ガルバリウム鋼板の外壁や開口部のコーキングについても再施工しようということになりました。11月初旬、いよいよリフォーム着工です。
posted by 山内彩子 at 10:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月10日

O宅リフォームに思う

約7年半前に竣工した、当社設計・監理のO宅。
リフォームの依頼をいただき、半年ほどかけて設計をしてきました。
もともと「見えない部分(隠蔽部)をつくらない、あからさまな家」である分、エコで可変性が高く、木のむき出しの楽しさがあって、素朴ながらになかなかいい感じ。シートがはがれてどうこう、などという悩みもありません。

設計も佳境。
当初は小さなお子さん1人で3人家族だったこの住宅も、さらに2人加わって、6人家族になり、そろそろ将来的にも機能的な変化のイメージがわかってきた、とのことで、2階のオープンな子供室を中心にリフォームをすることになりました。
子供室のコンセプトは、部屋(空間)のローテーションシフト。
これから変化してくる3人のお子様のステージに合わせた可変性を、シンプルに考えました。またちょこちょこ書いていきます。
posted by 山内彩子 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月26日

「ものを言うみどり」で負の景観をシフトする

とあるマンションの1階に住む方から外構に関して(ご本人にとってかなり深刻な)ご相談を受けました。
横浜市の条例により、景観やまちなみに必要なものとして義務付けられてつくられた「ベンチスペース」(緑地でもよい)が近くの若者の深夜の溜まり場になってしまい、遅い時間でも騒ぐし、花壇のコンクリートや建物の外壁でタバコの火の消した跡が残っている。また、疎な植栽のため子供が面白半分に中に入って遊んだり中をのぞいたり、避難通路の出入口の扉のくぼみは、前にある広場で遊ぶ子供がサッカーのゴールにしてしまう。・・・
安心安全どころでない事態に、かなりナーバスになっておられました。

最近は、公園や広場などの公共の空間では、浮浪者の寝床にならないよう、寝ころべないベンチのデザインに気を使うのが当然かと思いますがいわゆる住宅地では別の悩みが生じているようでした。
blg0909_4.jpgそのベンチスペースなどをプランタで塞ぎながら飾る提案をしたり、緑量を増して「入らないで」「溜まらないで」「他の目的に使わないで」と言う「ものを言うみどり」での解決を試みました。
ここは、規模の小さな分譲マンションだったので、他の住人の方や管理組合の理解は得られましたが、分譲の集合住宅の緑地は共用部分なので、全住戸が直接の被害をこうむるわけではない場合、時に費用捻出やその後の管理に対して反対意見がでたりということもありえます。このマンションでは、分譲業者が倒産、設計者も施工者も直接関与したがらないことがあり、図面のフィードバックも必要でした。最近、こうした合意形成と景観意識、法律、建築、ランドスケープ、庭といったテーマをよく扱うようになりました。
負の課題が生じないデザインコントロールというものの重要さを感じます。ベンチは「場」やアクティビティを創出する装置で場をつくる効果がある反面、安易につくると負の景観をつくりうるもの、要注意です。
posted by 山内彩子 at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ●庭とランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月12日

愛知まちなみ建築賞2009と"Townscape"

今年も愛知まちなみ建築賞の審査とその他打合せも兼ねて名古屋に出向いた。今年は昨年の件数減の反動のように多数の応募。
審査の基準は、もちろん「審査要綱」の通りなのだが、特に「まちなみ」やら「ランドスケープ」やらに意味のある「何か」をしていてかつデザインのある程度洗練されているものを押すことにしている。少し造園系でとんがり系の微妙な立場がなかなかよいと思っている。また審査員ももう今年で7回目で、毎年、景観やランドスケープの批評の軸を確認できる好機と考えている。

今年はもう1つ、英語表記が話題になり、興味をそそった。まだ何も決まっていないが、1つの候補とし話題になったのが"Townscape"というターム。
以前"Landscape"って何だ、などという議論を延々としていて結局まだ明確でない、いや明確にできないことがわかってきた昨今、「まちなみ」のイメージをあらわす語として出てきたもので"Townscape"が適当かどうか、というまたしても難しい議論だ。鹿島出版会の1960年代に出た翻訳本「タウンスケープ」(トーマス・シャープ)やらゴードン・カレンやマンフォードの"Townscape"でも定義のイメージが異なるし、英和辞典を引いても意味が無い。結局また同種の議論になるのか、"Reform"(リフォーム)、欧米ではまずこの後は使われない、のように日本の造語的外来語のように浸透するのか、「景観」やら「まちなみ」やらが注目される今は、もう少し研究してみたいと思った。
右にならえにならない、強力な意見があれば、教えてほしいところ。どうでしょうね。
posted by 山内彩子 at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ●批評・文化活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月05日

管理組合無料相談会

首都圏マンション管理士会相模原部会の無料相談会に参加。客観的に見ても貴重な機会だと思うのだが、思ったほどには参加者が伸びないのはやはり休みの日に自分のマンションの管理組合のために自分が出て行って相談を受けてくるという煩わしさか?それにしても熱心な管理組合のお話をいろいろ聞けて、こちらも刺激を受ける。
管理組合のコンサルの話がちょくちょくあるのだが、管理組合というのは必ずしも正しいことが通るのではなく、通りやすい結論が通るという「合意形成」の問題が一番にくる組織。そこを読みながらもあるべき姿を提示していくところに我々の存在価値があるのだろうが、これがなかなか難しい。
posted by 大川信行 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月25日

大崎ウエストシティタワーズ

090825_4.jpg大崎駅からペデストリアンデッキでつながるという超高層マンション。カーテンウォールが多用されていてバルコニーも小さく作られているので、一見すると「マンション?・・・」となりますが、大きなオフィス・商業ビルの多いこの地域には馴染んでいる印象。カーテンウォールの室内側の枠まわりにはガラリ(ブレス)が仕込まれていましたが、これは補助的な給気口ということで、基本的には給排気とも機械で行う第一種換気(といいます)とのことでした。
データ:JR山手線他より徒歩、売主 住友不動産(株) (株)NIPPOコーポレーション 住友商事(株)東急不動産(株)、設計 (株)UG都市建築、施工 清水・フジタ建設共同企業体
posted by 大川信行 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●内覧会・立会業務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月22日

ベリスタ戸田公園

090822_2.jpg文字通り戸田公園を臨むロケーションのマンション。住戸によっては公園の水路ごしにきれいな夕日が見えるのかも。
最近住戸内部に引戸が多用される傾向があるように思います。特にリビングに面する洋室に用いられる引戸ですが、二本引き(かそれ以上)の場合、吊りレールを用いた納まりだと大抵は一番端の戸を引くと次の戸もついてくるので、二番目(以降)の戸だけを開けたくてもそうはいきません。並んでいる戸の真ん中付近を出入り口にする、ということはできないのです。(例外はあります) パンフレットだけを見ていると気が付かないので、モデルルームのタイプに二本引きの引戸がなくて購入を検討している住戸にはある、というような場合は注意が必要です。
データ:JR埼京線戸田公園駅より徒歩、売主 藤和不動産(株)、設計 (株)MICHIRO建築設計、施工 埼玉建興(株)
posted by 大川信行 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●内覧会・立会業務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする