とあるマンションの1階に住む方から外構に関して(ご本人にとってかなり深刻な)ご相談を受けました。
横浜市の条例により、景観やまちなみに必要なものとして義務付けられてつくられた「ベンチスペース」(緑地でもよい)が近くの若者の深夜の溜まり場になってしまい、遅い時間でも騒ぐし、花壇のコンクリートや建物の外壁でタバコの火の消した跡が残っている。また、疎な植栽のため子供が面白半分に中に入って遊んだり中をのぞいたり、避難通路の出入口の扉のくぼみは、前にある広場で遊ぶ子供がサッカーのゴールにしてしまう。・・・
安心安全どころでない事態に、かなりナーバスになっておられました。
最近は、公園や広場などの公共の空間では、浮浪者の寝床にならないよう、寝ころべないベンチのデザインに気を使うのが当然かと思いますがいわゆる住宅地では別の悩みが生じているようでした。

そのベンチスペースなどをプランタで塞ぎながら飾る提案をしたり、緑量を増して「入らないで」「溜まらないで」「他の目的に使わないで」と言う「ものを言うみどり」での解決を試みました。
ここは、規模の小さな分譲マンションだったので、他の住人の方や管理組合の理解は得られましたが、分譲の集合住宅の緑地は共用部分なので、全住戸が直接の被害をこうむるわけではない場合、時に費用捻出やその後の管理に対して反対意見がでたりということもありえます。このマンションでは、分譲業者が倒産、設計者も施工者も直接関与したがらないことがあり、図面のフィードバックも必要でした。最近、こうした合意形成と景観意識、法律、建築、ランドスケープ、庭といったテーマをよく扱うようになりました。
負の課題が生じないデザインコントロールというものの重要さを感じます。ベンチは「場」やアクティビティを創出する装置で場をつくる効果がある反面、安易につくると負の景観をつくりうるもの、要注意です。