2008年12月05日

ル・コルビジェのバイオグラフィー

blg0812_1.jpg12月号の雑誌「ランドスケープデザイン」に掲載するとのことで、コルビジェのバイオグラフィーの書評を書いてもらえないか、と言われ、「私はコルビジェに関しては勉強不足で・・・」と断っていたところ、「建築の雑誌の書評とは一味違う視点でランドスケープのデザインをしている方にお願いしてみたい」などといわれて、お受けしたテキストでしたが、本を手に取ることができた幸せを感じることができるほどの充実した内容でした。
アマゾンなどでは、今は購入できないようなので意外に知られていないかもしれないと思い、一言ブログでご紹介してみることにしました。
A3のハードカバーというかなり豪華な装丁のものすごく重い本ですが(英語版¥21000+税 この内容なら高くないかもしれません)、20世紀の建築の知の恩恵を授かったものとしては、一読に値する、いや事務所に居場所をつくって常時おいておきたいような本です。作品集というよりは、タイトル通り、年代順に絵画やスケッチ、旅行の記録や絵葉書、手紙、写真、そして建築がパラレルに時系列に並んで記述されているところが面白く、大規模な展覧会を手元で楽しめるような、コルビジェ研究の敷居が低くなる?と思えるほど、貴重な資料があふれる本でした。
・紹介記事掲載誌『ランドスケープデザイン12月号』
(書評テキストはWeb上にはありません)
・ファイドンの商品ページLe Corbusier le Grand
・日本語のWeb上ではここ→美術書の「芸術広場」が一番詳しい?
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2008年11月02日

「気候変動+2℃」と「偽善エコロジー」に思う

先の受賞式の講演で山本良一先生の「地球温暖化と緑の役割−京都議定書目標達成を目指して−」を聴講して、にわかに「環境」が気になっています。この講演の趣旨は、この問題に対して科学者の中にも様々な立場の人がいて、超楽観論者--中庸--超悲観論者まで様々なのだが、(通説は「やや悲観的」程度として)山本先生はかなり悲観的な立場で、全世界的に尋常ならざる努力をしないと、産業化前から上昇した地球表面の平均温度が+2℃を突破する時期が(気温ターゲット2℃)、2100年よりも早く起こってしまい、これを超えると急速に気温が上がってしまう(2℃上昇とは、珊瑚礁が97%死滅、海面上昇、飢餓リスク10〜28億人が水ストレス、他)という予測によるものです。逆にCo2 削減のあらゆる努力によって2℃を超えさせないことが可能ともいわれているのでこのあたりはもっと皆が知識を高めるべきところだと思いました。
これに対して、ちょっと前に武田邦彦氏の『偽善エコロジー〜環境生活が地球を破壊する』を読んだのを思い出しました。皆がエコと信じてやっていること、一般に「地球に優しい」といわれる21項目、資源ごみの分別、No.レジ袋、家電リサイクルなど1つ1つ検証し、ほとんど「意味がない」と切捨てるもの。一昔前に流行った『食べてはいけない』を思い出しました。この×の一つ一つには?というものもあってあえてコメントしませんが、あとがきをみると、要はそんな中途半端な「偽善エコ」から脱却して、1週間に入るお風呂(シャワー)の回数を半分にするとか、水洗トイレをやめるとか、そのくらい本気でかからないと本当の節約にはならない、といいたいようでした。
「偽善エコ」の是非はともかくある程度一般にも流通したのだから、ここから現状で是非もなくやばいのだとあらためて認識し、もっと積極的に何かをかえる提案などしていかないといけない気がしてきました。
posted by 山内彩子 at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月12日

『日本の庭ことはじめ』岡田憲久著

bl_0808_1.jpg「日本の庭」をテーマにした入門書には常々とても興味があり、書店などで見つけると手にとってみることにしています。実際、歴代の先生方のものが数ありますが、いろいろなものを集めていると、やはり著者の個性、立ち位置、時代が垣間見えてとてもおもしろいです。
庭をつくる立場の目が力強くまたリアルに表現される前半「近現代の庭」、現代の研究者としての目で解説される中盤は、自然の造形、農などの造形、初源的な庭、中国、韓国、日本の庭、様式、歴史を多面的に見せています。最後の「ディテール集」は他分野の方や海外の方々にもわかりやすいものとなっているように感じました。日本の庭をめぐる、「経験」「知識」「表現」というものが層になってみえて新鮮な印象の本だと思いました。
posted by 山内彩子 at 06:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月01日

イエヒト

我々の活動の一部、分離発注による家づくりを実現させている建築家のネットワーク、「オープンシステム」の出版社から、季刊誌が創刊されました。タイトルは「イエヒト」。全国書店に並んでいます。
bl_ie_hyoushi1.jpg
私たちはすべての案件で分離発注を行っているわけではありませんが、家をつくること、それ自体に興味があってこだわりの強い方には、とてもいい方法ですしうまくやればカスタムメイドの家を安く手に入れることができます。分離発注には様々なノウハウがあります。ご興味やご質問があれば些細なことでもお問い合わせください。できる限りお応えします。

この方法では、発注する人(施主)と計画する人(設計監理者)と現場でつくる人が顔をつきあわせて家をつくる感覚が実感できるのが何よりかと思います。価格と職人の顔がよく見えるのが最大の魅力です。書店で手にとってみてください。
「イエヒト」公式HP・・・http://www.iehito.com/
posted by 山内彩子 at 15:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月16日

デブサミ2007が終わりました

昨日、デブサミ2007でしゃべってきました。異分野の中でとても貴重な体験ができました。関係者のみなさん、聴衆のみなさん、ありがとうございました。
ひとつお勧めの本があります。「プロブレム・シーキング―建築課題の発見・実践手法」という本で、話の中に出た建築のプログラミングの手法が書かれた本です。初版は1969年ということですが邦訳は2003年ということで、決して日本の建築業界で広く知れ渡っているものではありませんが、時間をかけて作り上げられた要求整理(IT的に言うと)の手法です。よければご覧ください。
posted by 大川信行 at 10:06| Comment(2) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月30日

五味太郎#1

060330.jpg古本屋でたまたま見つけて五味太郎の「さる・るるる(one more)」を買いました。思わずクスっといってしまう本ですが、一才前の子供にもきちんと伝わったようです。最初、二色刷りなので子供の目をひくか心配だったのですが、面白ければ関係ないようですね。これもリズムとほどよい長さで読ませる本です。
posted by 大川信行 at 19:11| Comment(2) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月20日

長新太#1

何年か前に本屋でたまたま手にとって思わず買ってしまった長新太の「ちへいせんのみえるところ」。すっかり忘れていたのですが思い出して9ヶ月の娘に読んで聞かせたら、これがかなりのヒット。そこで二つ発見。ひとつは、声を出して読んできかせると黙読していた時とはまるで違うものが見えてくるということ。簡単に言えばそれは「リズム」なのですが、この本のそれはまるでミニマルミュージックです。もう一つは、「でました」といっていろいろ出てくるのですが、その一つに「都市」らしいものが出てくるのです。よく見てると、「さらば宇宙戦艦ヤマト」の都市帝国のドアップに見えてきます。ちょっと調べたら、両作品とも1978年なんですね。なんかあるかもしれませんね。
posted by 大川信行 at 07:46| Comment(1) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月08日

オズワルド#2

ところでオズワルドの住んでる世界をBig City (こちらの画像参照)というのですが、この町のデザインがなかなか興味深い。具体的なモノの形をしている建物(ロケットとか)はロバート・ヴェンチューリの『ラスベガス』を借りると「ダック」ということになるのですが、オズワルドの家(赤いレンガ?調のビルで窓がランダムなヤツ)を始め遠景の様子などは、まさに今の、例えば西沢さんの船橋アパートメントなんかを思い出させてしまうところもあります。ポスト・ポストモダンのルーズでぶっきらぼうな感じがポストモダンの通俗的な感じに並んでいる・・・といったらそれこそちょっと通俗的過ぎますが。
posted by 大川信行 at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月01日

オズワルド#1

本棚というわりには本とは関係ないのですが、最初の書き込みは「Hallo!オズワルド」のこと。
娘が生まれてから、今まで縁のなかったディズニーチャンネルをよく見ているのだけど、このオズワルドに完全にハマってしまいました(僕が)。冷静に分析するといくつか理由がありそう。これは既に言われていることのようですが、青いタコのオズワルド他すべてのキャラクターに、人種とか階層とか年齢とか力とか、社会的な位置づけを暗示させる要素がないので、無防備にその世界に入れる点。注意深くみていると、これって他のディスニーの番組にもない性質だと思います。
posted by 大川信行 at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ●本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする