2011年02月08日

「長期優良」なランドスケープって?

「30年後の風景」を考えて都市のランドスケープを設計する授業を2年間、千葉大学で試みてきて、ここのところ、改めて、8日に国土交通省から発表された資料にドキッとさせられた。
「国土の長期展望に向けた検討の方向性について」

ランドスケープデザインは、完成時が一番美しい建築デザインと異なり、時間をかけて完成していくもの、などと言われているが、現実はどうか?、と学生さんと都市を見ながら考えて、自問自答も続けている昨今。少子高齢化や地球温暖化その他、多面的に30年後、50年後、100年後の予測を見ていくと気持ち悪くなるくらいの予測が多数されている。
日経アーキテクチャーの「ケンプラッツ」のケンセツ的視点にもこれに触れたコラム「無人と化した地に長期優良住宅が残る未来」でも論じてあったが、2100年に3770万人に減少した日本に住む人々が、都市圏に集中して住み、新興の住宅地が頑丈な空家だらけのゴーストタウンになるといったイメージが解かれている。「何を建てるかではなく、どこに建てるか。さらに言えば建てた地域をいかに維持していくか」コラムの通り、住宅も「維持」というのが課題になりそうなのは多くの人が感じるところだろう。どんなに「長期優良」な住宅でも、メンテナンスなしに人が住まずに「長期優良」を維持できるわけもないのだ。
そこから一歩進んで、宅地開発をする者も、ランドスケープの維持、地域の維持に関する展望を描いて、地面に絵を描いていくべきだと痛感する。ランドスケープも実は人が維持管理していかなければ、絶対に保てないのは見過ごされがちなところ。「長期優良住宅」をうたうならば、「長期優良住宅地」の思想も必要なのかもしれない。ちょっと深く考えてみたいテーマだ。


posted by 山内彩子 at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月06日

謹賀新年2011

bl_1101_1.jpg新年あけましておめでとうございます。
(→クリックすると大きな画像になります)
旧年中はたいへんお世話になりました。
本日より新年の業務を開始しました。

昨年は、これまでの建築やランドスケープの設計業務に加えて、インスペクション業務のニーズの多様さを感じさせられたり、住宅の庭に多くの時間を費やす機会をいただいたりと、業務の質において幅をもたせることができた一年でした。

山内の業務では、設計を通して大好きな庭に関わる機会が増えたことは何よりうれしいところでしたし、個人的には業務を継続させながら第二子の出産を完了して、仕事も生活もマイペースながら、次のフェーズにすすめていけそうな予感もしております。

本年もとうぞよろしくお願い申し上げます。
posted by 山内彩子 at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月15日

外構資材はセレクトショップのごとく

ここ数年で外構資材を扱うセレクトショップのようなネットショップが増えてきましたね。
ひと昔前までは、ポストや表札などでもデザイン的にいいものが見当たらなくて、図面を一生懸命描いて金物屋さんにつくってもらうことがありましたが、プロダクトとしておもしろいものが流通しはじめてその必要が減っている気がします。
我々のお客様の中にもしばしば、ネットで購入して「施主支給」を希望されるケースがみられるようになりました。特にポストや表札、インターホンカバーといった小物、さらに水栓柱やプランター(植木鉢)なども輸入物や国産の零細でも能力の高いメーカーなどのデザイン性の高い商品が注目され、それらを発掘して扱うショップも増えているように思います。
でも、いいなと思うものがネットで見つかってもちょっと待った!出所や流通の'MAP'を検証してみるとおもしろいことがわかります。当社もよく利用するONLY ONE CLUBなどはその最たるもののように思います。'MAP'の真ん中近くにいるような存在?。外構商材を扱う商社が集まって会社をつくり、作り手の大小問わず、デザイン性の高い商品を流通の俎上に挙げてカタログに載せ、使いやすくする作業はなかなか脱帽ものです。カタログは毎年更新されていて、結構使えます。一度見てみるとおもしろいです。興味のあるものがあれば、購入、コストその他、当社でもお答えできます。
ONLY ONE CLUB
posted by 山内彩子 at 09:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月08日

子供の入院

5才の長女が、とある簡単な手術を受けることになり、付き添いで北里大学病院に二泊三日の入院生活を送ることに。意外に娘も非日常的な生活を楽しんでいたが、親の方も丸二日じっくりと病院内部を見ることができていい経験になった。まだ3ヶ月の下の子供も連れてウロウロしなくてはならないこともあり、外来患者がたくさんいるところをすり抜けるようは動腺は特に気になる。エレベーターしかり。衛生の問題はまず動腺にあるのだなぁ、と思う。
posted by 大川信行 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月25日

福島の人工林がなぜか懐かしかった

bl_1011_2.jpg先週になりますが、現場進行中の福島県鮫川村の温泉施設のランドスケープ計画の現場に出向きました。紅葉はかなり終わりかけというところ。都心からみるとかなり山深いところです。植生は、人工林の針葉樹と落葉樹の雑木類の面が交互にやってくる山面が印象的。秋から冬は紅葉のおかげでそれがよくわかります。人工林の杉林などをみると何だか懐かしいのは昔、故郷の京都の山をたくさんドライブしたせいかしら。山のスケール感はずいぶん違いますが。
自然がいっぱいあるところに植栽計画はどの程度必要かといわれることがありますが、意外にも現地の人々は樹木がありすぎて、強くそれを認識する感覚は薄い気がします。こういうところこそ、ほどよい濃さとのびやかさをもったデザインが必要ではないかと思うところです。
posted by 山内彩子 at 16:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ●庭とランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月01日

庭の検証:「スケール感」を考える

前回のブログで足早に書いてしまった庭のことを何回かに分けて、ゆっくり考えてみたいと思います。
「庭」は関わるほどにおもしろいと思うことの1つに「スケール感」というのがあります。bl_1011_3.jpg
建物がどんなsite(敷地)にあるのか、建築家が意図しているものは、建物の外観にあらわれてくるものですが、これとどう向き合うのか、という部分は、ランドスケープデザインに関わる者としてはいつも考えさせられます。
ちなみに、ここでいるsiteは敷地境界線に囲まれた部分ではなく、建物が考えられている射程距離のような範囲をイメージしています。敷地境界線内しか考えられていない建築もあれば、地域、都市或いは環境や宇宙、はたまたメディアというスケール感をもつ建築もありますよね。
bl_1011_1.jpgでも、その「スケール感」では、建築主とのギャップもありえるし、機能の転換によってかわることもあります。このお仕事は建築家とのコラボではなく、建築主からの依頼で、コラボはあえて求められず、建築のアナロジー(類似)にならないこと、でもシンプルなデザイン性はほしいこと、建物に対峙もせず違和感の生じない緑のやわらかい空間でもあることも求められました。裏庭に仮植されていたここで育った植物達の居場所や自転車、動線など、諸所の機能はもちろん確保した上で。
いろいろなものに折り合いをつけるのもランドスケープデザインに関わる者の仕事だたとつくづく思います。
(写真上:工事完了時、写真下:工事前)
posted by 山内彩子 at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ●庭とランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月21日

「建築」の庭の行方はなかなか悩ましい

「ガーデンデザイン業務」を昨年から積極的に取り組んでいることもあって、今年は岩城造園にいた頃を思い出すくらい(ちょっといいすぎ?)庭に関わる機会が増えた。
「庭はvoid」とずっと以前から言っていて、庭はどうしても周りに開かれてしまう宿命があると思っている。空間的に閉じていても自然環境には開かれてしまうし、塀が高くあればなおさら塀を境にいろいろな緊張が高まる気がするのだ。
もうすぐ現場が終わるある「庭」は、ある建築家の作品としての住宅の庭にあたる。
bl_1010_1.jpg
詳しくはいずれきちんと書きたいと思うが、住宅など小さな「建築」をつくるとき、外構は意外にやっかいものと思われてしまうことが多いような気がしてならない。そして'Less is more'というか、建物の外観や意図を際立たせるために、一面に砂利を敷いておしまい、とかになりがちで、これがすべての機能や要求事項を解いた後でpositiveに行ったものであればよいのだろうが、どうもnegativeというか、要求を残したまま、後ろに追いやってやってしまうと、'void'にものや機能、要求が溢れ出して露出してくる危険をはらんでるように思われてならない。この住宅の庭はそれを強く感じさせるものだった。
庭に求められたのは、裏庭に押し込まれていた樹木達(建物が建つ前に敷地にあったもの。大切に植木鉢に移してあった)の表の居場所としてのなじみのよい緑空間、風雨をしのげる自転車置場、水溜りのできないアプローチなど。一面の砕石敷きを変更する計画だった。
私も建築家として家をつくる時には意外に頭を悩まされる部分かも、とあらためて思った。
posted by 山内彩子 at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ●庭とランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月20日

二世帯住宅無料相談会

住まいるパーク柏の葉という住宅展示場の「二世帯住宅何でも相談会」と銘打ったイベントに相談員として一日詰めた。きっかけは我々の二世帯住宅研究。ネットがきっかけのこういう仕事は、何ともなくうれしいもの。
下見と今日とで柏の葉に来たのは初めて。東大と千葉大の新しいキャンパスがあるので何となく親近感が湧くが、歩いて移動するところではありませんな。街のスケール感からして、歩けるのはららぽーとの中までといったところ。
posted by 大川信行 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月10日

O荘入居者募集

当社設計・運営のO荘で空き住戸が出ました。
http://www.coci.jp/a2/a4osoidx.htm地下付きのメゾネットタイプとワンルームタイプです。
また詳しい情報を追記しようと思いますが、興味のある方はweb@coci.jpまでご連絡ください。
posted by 大川信行 at 13:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ●日々の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月05日

ハイセレサ田無シティハウス

田無の駅に程近くで便利そうな場所にあります。
いつも「動くところは全部(最後まで)動かしてみましょう」と言っていますが、たったそれだけでもいろいろなことがわかります。今回はサッシ下の防犯用ロックが一箇所掛からない箇所がありました。何となく見ているだけでは気づかないところです。
データ:西武新宿線田無駅より徒歩、売主 住友不動産(株)、設計 (株)陣設計、施工 (株)イチケン
posted by 大川信行 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●内覧会・立会業務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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